大麻山
大麻山


大麻山の風景

大麻山中腹の青石

明治期の地図


大麻彦神社伝来書上帳

麻漬(ヲツケ)川
天日鷲命清麻楮(スカソカジ)を洗玉ひし旧跡にて
降共不増照とも不乾常注不変之水ニて御座候

丹(アカ)の水
天日鷲命清麻穀(カヂ)をすすき玉ひ洗ひ給ひし井戸ニて御座候
井水を戴く時ハ心身の汚を払ひ且疱瘡軽安のよし申伝
参詣之諸人頂戴仕又家土産等ニ仕候
尤照とも不乾降とも不増麻漬川同様ニ御座候往古は御井ノ社と申して
天日鷲命二上命ニ神之祠御座候
由只今は石壇のみ残り居申候

を山谷
天日鷲命芋を植給ひし旧跡にて御座候

かげノ谷
天日鷲命楮を植玉ひし旧跡ニ而昔ハかじの谷と申候由
只今ハかけの谷と申候

をとけ谷
天日鷲命を山谷かじの谷の麻楮取来らせ此谷にて
ときわだき玉ひし故芋とき谷と申来候処只今ハをとけ谷と申候

をたつ
天日鷲命洗ひ給ひし麻楮を此処にて切給ひしゆへ昔時ハ芋断と唱候
後ニ龍神を勧請して大竜様と唱候よし何時之代「興欠」只をたつと唱候
只今村方雨乞之節此をたつへ参詣仕候儀ニ御座候

ひきつ
天日鷲命猿田彦大神を勧請の後社頭之幕目を行ひ給ひし右ヒキメ辻と申候由
只今ハヒキツとのみ申候

かみそりが峯
天日鷲命御勧請の事済玉ひて後麻植郡へ飛去玉ひし故神さりが峯と申候也
只今にてハカミソリが峯と申候

まり山
右御神徳蹴鞠の坪を守らせ玉ふより残りし名にて御座候
右之外森の近辺山谷多く有之得とも申伝へ候儀無御座候

いくし
板東村田代上千石ぐろを申候数大小七十餘座御座候
右ハ上古神田にて御座候并御供田と申田地御座候則上古之御田にて御座候

すだち
大麻山の見ゆる所ろならでハ生ひ立不申趣古老申伝ニ御座候
己ニ御国の中ニ而も上郡南方杯ニハ無御座候由承伝候
余国ニ而ハ阿波みかんと申重宝仕候由申承仕候
右すだちと申ハ橘の種類にて御座候やと奉存候
橘ハ品類甚深山ニ而巻懐食鏡にも時珍之説橘品十四種
日本又其種類多御座候而大抵酢之物は橘と申候由
私存居申分左ニ申上候
橙 アヘタチバナ 柚 オニタチバナ 蜜柑 ヒメタチバナ 枳穀 カラタチバナ

大麻山の北裏後ロ谷と申所に岩穴御座候其上にみかんの木御座候也
村老申候大方すたちに而御座候哉と奉存候

寛政五癸丑年三月
永井日向 永井上野

このページの地図は国土地理院の旧版地形地図5万分の1 『鳴門海峡』『三本松』を利用して作成されたものです。
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